「修行の成果」は洞窟の中ではわからない、と言われます。洞窟から出て世間と触れ、様々な刺激や変化の中でも、穏やかで安らいだ心境でいられるのか。世間に身を置いてこそ、その成果がわかるということでしょう。
物事は思い通りにならないのが常ですし、世間と関わることは、時に、煩わしさを伴います。
その「煩わしさ」が伴うのは、周囲の ”環境(状況)” や ”人”といった「外」に原因があるのではなく、自分の「内」に煩わしいという思いを引き起こさせる何かがある、と、ヨーガでは考えます。
自分では気づいていない思考の癖、思い込み（観念）、印象が、外の何か（人や環境）に触れたとき、「好き」「嫌い」と結びつき、感情となってあらわれるのです。その時、自分をじっと見据えることで、「あー、自分にはこんな観念（思い込み）があるんだな」「こういう思考の癖があるんだな」と、心を知ることができるのです。
「わたしの心を見据える必要などない（わたしには問題はない）。周りが悪い（周りに問題がある）。」と、自分の心を見据えることなく、外に原因がある、としていると、その問題が一時的に解決し、一時的な穏やかさを得たとしても、また新たな「問題」が別の形で起きるので、安らぎが続くことはありません。
一時的な「心の表れ」ではなく、「心の仕組み」に目を向け、根本的に変化させていく。それが、心のヨーガなのです。
肉体面の効果（肩こり、腰痛、不眠、便秘の改善、自律神経を整えるなど）は比較的早く表れますが、心のヨーガの効果は、わかりにくく、そしてそう簡単には受け取ることはできません。←この「簡単ではないこと」に向き合い、辛抱強く、コツコツとやっていくことこそ、心のヨーガです…今年も共に実践していきましょう！
